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事業所得にすると何がお得?仮想通貨の税金を深く知ろう

事業所得にすると何がお得?仮想通貨の税金を深く知ろう

最大で55%の税金がかかることのある仮想通貨への利益、なんとかして節税したいと考える人も多いことでしょう。

■個人と法人の大きな違いは税率

雑所得に分類される仮想通貨の税率は、所得税と住民税を合算すると15%から最大で55%となります。

累進課税制度を採用している日本では利益が多い人ほど、納める税金が多くなります。

利益が少ない時は個人事業の方が税金は少なくて済みますが、一定の利益の水準を超えると法人にしたほうが税負担を低く抑えることができるのです。

仮想通貨は損益通算や赤字の繰越ができないため、毎年利益が出るようになると、この税率の差は、悩ましい問題にになる事でしょう。

仮想通貨の取引を事業として行う場合、個人事業主として始めてその後に法人化するという方法もありますので、状況に応じて使い分ける必要があります。

■法人なら事業所得で取引するメリット

法人で取引を行う最大のメリットは、利益が大きくなるほど個人での取引よりも税負担を抑えられることです。

利益は事業所得となり、損益通算ができるほか、2018年4月1日以降の赤字は最大10年間繰り越すこともでき、単年度で大きく損を出してしまっても、長い目で見れば取り戻すことも可能です。

法人化すると、退職金代わりになる小規模企業共済や取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐ経営セーフティー共済の掛け金なども、経費として計上が可能です。

個人は、確定拠出年金以外に全額費用に算入できるものはほとんどありません。

経費にしつつ福利厚生や保険を充実できるという面で、法人化のメリットは大きいといえるでしょう。

■法人取引のデメリット

①設立に費用がかかる

法人の設立にはお金がかかります。
登録免許税や収入印紙代など、設立の際に役所に支払う金額はおよそ20万円程度。
登記を専門家に依頼した場合には、別途費用がかかります。
まずは初期費用として20~30万円程度かけるメリットがあるかどうかの見極めが必要になります。

②法人住民税がかかる

赤字でも法人住民税がかかります。
個人は赤字になると住民税が免除されることも多いですが、法人住民税は財務状況にかかわらず、最低でも年間7万円程度は支払う必要があります。

③法人口座を開設できる取引所は少ない

仮想通貨取引のための口座を開設する場合、法人口座を開設できる取引所が限られている点です。
法人化する前に今利用されている仮想通貨取引所で口座解説ができるか確認しましょう。

■個人事業主として開業する

個人事業主として開業することで、青色申告を行うことが可能になります。
青色申告は、所得から65万円の控除ができることが税制上の大きなメリットです。

控除を受けるためには、仮想通貨の利益を「雑所得」ではなく「事業所得」として計上する必要があります。

仮想通貨の利益を「事業所得」とすることは、特に法律などで禁止されているわけではありませんが、条件を満たしている必要があります。

  • 事業として仮想通貨の投資を行っている
  • 仮想通貨の利益が生計の主軸となるものである
  • 反復、継続的に事業を行っている
    など

そのため、会社員というメインの所得があった上で、個人事業主として開業をした場合には、「事業所得」とは認められにくいと言えます。

もし、「事業所得」と認められて、青色申告ができれば、事業所得は雑所得と比べて、さらに税制上メリットがあります。

「仮想通貨の節税をしよう」と仮想通貨に絡めた節税対策だけを考えるのではなく、「所得税の節税をしよう」といった考えを持つと視野が広がると覚えておきましょう。

自分の状況に合わせて、事業所得にできる節税対策があれば、挑戦してみてくださいね。